中小企業新事業進出補助金は、既存事業とは異なる新たな事業領域に進出する中小企業・小規模事業者を支援する制度です。第4回公募は公募期間 2026年3月27日〜6月19日(申請受付 5月19日〜6月19日 18:00)で進行中。試作受託サービスの立ち上げ、3Dデータ販売、医療・歯科分野への参入、金属3Dプリンターによる航空・宇宙領域の取り込みなど、産業用3Dプリンターは「新規事業の中核装置」として申請しやすい設備のひとつです。本記事ではNMGの取扱装置を活用した事業計画の組み立て方を整理します。

制度の概要

正式名称は「中小企業新事業進出補助金」。所管は中小企業庁、事務局は中小企業基盤整備機構(SMRJ)が務めます。ものづくり補助金が「既存事業の中での新製品・新サービス開発」を支援するのに対し、本制度は「これまで取り組んだことのない、既存事業とは異なる新規事業への進出」を支援する点が決定的に異なります。設備投資としての3Dプリンター導入は、本制度における代表的な対象経費のひとつです。

ものづくり補助金との違い
申請の軸足が「既存事業の高付加価値化(ものづくり補助金)」か「これまで取り組んだことのない新規事業への進出(本制度)」かで、選ぶ補助金が変わります。同じ装置でも、事業計画の書き方・審査ポイントが大きく異なる点に注意が必要です。

補助上限・補助率の全体像

補助上限は従業員数に応じた段階制で、通常枠の最大は7,000万円(101人以上)、大幅賃上げ特例適用時は9,000万円まで引き上がります。補助率は原則1/2、地域別最低賃金引上げ特例の対象事業者は2/3です。

従業員数通常枠 上限大幅賃上げ特例 上限
20人以下2,500万円3,000万円
21〜50人4,000万円5,000万円
51〜100人5,500万円7,000万円
101人以上7,000万円9,000万円

補助下限額は750万円。正確な区分の解釈・適用は最新の公募要領をご確認ください。

主要要件

3Dプリンターで成立する新規事業のパターン

産業用3Dプリンターは、既存の製造業・加工業・サービス業から新規事業領域に進出する際の中核装置として機能します。NMGが扱う装置群を前提に、典型パターンを整理します。

1. 試作・小ロット受託サービスへの新規参入

既存事業が量産部品の加工であった事業者が、新たに「試作・小ロット造形の受託サービス事業」を立ち上げるパターン。光造形SLA・FFFを軸に、サービス事業として独立採算で運営する事業計画を組みます。Uniontech Lite 800 2.0 のような大型機を導入することで、競合の少ない「1m超の一体造形」「大型外装パーツの試作」といった独自ポジションを取りやすくなります。

2. 3Dデータ販売・デジタルカタログ事業

自社で蓄積してきた設計知見・3Dスキャンデータを、データ販売・サブスクリプション型カタログとして新規事業化するパターン。Shining3D の3Dスキャナーで実物資産をデジタル化し、データ販売プラットフォームとして展開します。装置単価は本体価格に加え、データプラットフォーム構築費・クラウドサービス利用費まで補助対象に積み上げられる点が強みです。

3. 医療・歯科分野への新規参入

既存の樹脂加工・金属加工事業者が、医療・歯科向けの治具・カスタムデバイス供給事業に進出するパターン。生体適合材料への対応・洗浄/UV後処理・滅菌工程まで一気通貫の設備計画になるため、「装置単体ではなく事業として成立する」点を計画書で示すことが重要です。

4. 金属3Dプリンターでの航空・宇宙・防衛領域参入

既存の機械加工事業者が、HBD金属LPBF を導入して航空・宇宙・防衛・エネルギー領域に新規参入するパターン。装置単価1,500万〜数千万円帯のため、補助上限とのバランスが取りやすい補助金です。新規事業の市場性・受注見込み(具体的な顧客名・LOI)を計画書で裏付けます。

5. 量産支援治具・保守部品のオンデマンド供給事業

既存事業が単発受注の機械加工だった事業者が、新たに「特定業界向け治具・保守部品のオンデマンド供給」をサブスクリプション/契約型サービスとして事業化するパターン。Bambu Lab H2D / H2C を複数台運用し、多品種少量を24時間体制で供給する事業計画になります。

補助対象となる経費

研修費・廃業費は原則対象外。建物費は審査が厳格化される傾向にあるため、計上時は専門家との事前相談を推奨します。

NMG取扱装置の申請相性

NMGは以下メーカーの正規ディストリビューターとして、補助金申請に必要な見積書・カタログ・技術仕様書をワンストップで発行します。

採択を高めるチェックポイント

申請の流れ

  1. NMGに無料導入相談(補助金適用可否・新規事業領域に対する装置選定の方向性確認)
  2. マクスウェルグループと事業計画の方針合意
  3. GビズIDプライムアカウント取得(発行におよそ2週間)
  4. 事業計画書・申請書類の作成支援(認定経営革新等支援機関の関与)
  5. 電子申請(中小企業新事業進出補助金 電子申請システム)
  6. 採択後、交付申請審査・交付決定
  7. 装置発注・納入・検収(交付決定前の発注は補助対象外)
  8. 事業実施・実績報告・確定検査・補助金交付

よくある質問

Q. 「新規事業」の判定はどの程度厳格ですか?

事業者自身にとって「これまで取り組んだことのない事業」かどうかが基準で、市場における新規性そのものではありません。ただし審査では「自社技術との掛け合わせによる独自性」が見られるため、まったく無関係な事業領域への進出計画は説明難度が上がる傾向があります。

Q. 既存事業の延長線上でも「新規事業」と認められますか?

申請軸足が「新規事業」か「既存事業の高付加価値化」かで判断が分かれます。延長線上の改良であればものづくり補助金、明確に異なる事業領域への進出であれば本制度が候補となります。判断に迷う場合は事前にご相談ください。

Q. 大型装置は納期が長く、事業実施期間に収まらないのでは?

事業実施期間は交付決定日から14か月以内です。大型SLA・金属LPBFはメーカー納期が長いため、交付決定前に納期短縮交渉・代替機種検討が必要なケースがあります。NMGは在庫機・デモ機転用での納期短縮を相談できる場合があります。

Q. 交付決定前に発注した装置は補助対象になりますか?

原則対象外です。交付決定日以降に発注・契約した経費のみが補助対象となります。装置メーカーへの内示・発注タイミングは交付決定後に厳密に管理する必要があります。

本記事は2026年5月8日時点の公開情報をもとに日本未来技研(NMG)編集部が作成しています。公募内容・補助率・締切・要件等は変更される場合があるため、応募時は必ず中小企業新事業進出補助金 公式サイトおよび中小企業庁の最新情報をご確認ください。本記事は採択を保証するものではありません。制度解釈の監修・申請実務: マクスウェルグループ/編集: NMG。